憧れの人

あとがき

15年ぶり(!)の小説新作、まずはお読みくださいましてありがとうございました。
長年アンジェ世界やサイト運営、創作活動から離れていて、勘を取り戻すのも大変でしたので、文章書きのリハビリとして書いた作品です。
リハビリなのであまり糖度も高くなく、オスリモに至っては恋愛未満となってしまいました。

アンジェから離れている時期に「ルトゥール」が発売されていましたが、それすら知らなかった私。
コロナ禍で時間がある時にプレイしてみましたが、懐かしさで涙が出そうになる程感動しました。
なので新作一発目はルトゥール世界で書いてみたかったのです。

私は元々ディア様が大・大・大好き。
ディア様を一言で表すなら『慈愛と献身』の人ですよね。
大変な美女で優雅で落ち着きがあり、優しく控えめで仕事も完璧。
普通に考えたら守護聖達はみーんなディア様に夢中になってしまって、『アンジェリーク』というゲームは成立しないと思うのですが(笑)、でもゲーム中ではそういう存在として描かれてないんですよね。
もちろん宇宙の危機の最中にあって、あの真面目なディア様が恋愛に夢中になってデート三昧とかは考えにくいのですが。
彼女には簡単に恋愛を寄せ付けないような『何か』があるんじゃないのかな?と。
そこにもう一歩踏み込んでみたのが今回のお話です。

ディア様の初恋のお相手は、ぼかしてはありますがもちろん『あの方』。
ここでは名前はもちろん、外見的な特徴なんかも敢えて書きませんでした。
ディア様の中では既に『過去の思い出』として昇華されているので、あまり生々しい存在感は出したくなかったんです。

ルトゥールではサラさんの占いの館が無くなり、ディア様が占いやおまじないまでしてくださるようになり、更に深く女王候補達と関わってくるようになりました。
今までと違うのは、女王候補達が恋愛すると補佐官に筒抜けになるという点。
でもこれって、女王候補の恋愛の種を早めに摘み取ろうって意図ではない、と私には思えたんです。
コミックスでもクラ様と女王陛下の恋愛をさりげなくサポートしていたりと、実はディア様って他人の恋愛には寛容で、その分自分の恋愛には奥手で内向きという感じもしますし。
心が惹かれてしまう事はどうしようもない事で、それを知っているディア様だからこそ、恋に悩める少女たちにアドバイス出来るんじゃないのかなぁ。

タイトルの『憧れの人』は少女たちにとっての恋する大人の男性でもありますが、アンジェリークや守護聖たちにとってのディア様でもあります。
そして私にとってもディア様は、永遠の憧れの女性なんです。